スレート瓦の寿命は何年持つ？法定耐用年数と修理費用・劣化サインの見極め方

2025.07.04 (Fri) 更新

「スレート瓦の寿命は一体どれくらい持つのか？」「そろそろメンテナンスが必要かも…」「想定外の修理費用が発生しないか心配…」そんな不安を感じていませんか？

日本の多くの住宅に使われているスレート瓦は、法定耐用年数が【22年】とされています。しかし、実際の現場ではメンテナンス状況や立地条件によって【25年～40年以上】持つケースも少なくありません。特に2004年以降のノンアスベスト製品は、経年劣化や塗装の有無による差が大きいため、正しい知識と定期的な点検が寿命を長く保つカギとなります。

劣化をそのまま放置すると、【雨漏り】や【下地材・防水シートの損傷】、さらには【カビ・シロアリの発生】まで広がり、結果として高額なリフォーム費用が発生する危険性も。しかし、10～15年ごとの定期塗装や部分補修を行えば、大規模工事を回避し、住まいの価値と安全性を守ることができます。

「専門家による調査や公的機関の最新データをもとに、スレート瓦の本当の寿命と正しい対策」をわかりやすく解説します。今の屋根の状態が気になっている方も、最後まで読むことで後悔のない判断ができるはずです。

スレート瓦とは何か ― 素材・構造・特徴を詳細解説

強度とデザイン性に優れるスレート瓦は、日本の住宅における主流の屋根材の一つです。主にセメントと繊維材料を圧縮して製造され、軽量かつ薄型の形状が特徴です。軽量なので地震対策としてもおすすめされており、建物への負担が少ない点が魅力です。

スレート瓦の表面には防水塗装が施され、初期の防水性・耐候性が確保されています。ただし年数とともに塗装の劣化や色あせ、ひび割れが進みやすく、適切なメンテナンスが求められます。費用面でも比較的安価に屋根リフォームができ、都市型住宅を中心に多く採用されています。

スレート瓦の種類と形状の違い ― 化粧スレート・平板・波型など

日本で最も普及している「化粧スレート(コロニアル)」は、表面に着色塗装が施されたフラット形状が特徴です。その他に立体感のある「波型スレート」や、金属を使用した「ガルバリウム鋼板カバー」方式なども選ばれています。

下記のテーブルでは、主なスレート屋根材の種類とそれぞれの耐用年数や特徴をわかりやすく比較しています。

種類	耐用年数目安	特徴
化粧スレート（平板）	20～30年	デザインが多彩・普及率が高い・価格が抑えられる
波型スレート	25～40年	工場や倉庫で多用・強度と断熱性が比較的高い
ガルバリウムカバー	30～50年	金属製で軽量・劣化しにくい・リフォームで人気
セメント瓦	30～40年	厚手・大型・重厚感がある

■耐用年数はメンテナンスや塗装の有無、環境条件でも変動します。スレート瓦全般は軽量・低コストで選ばれやすいですが、こまめな点検と補修が長寿命のポイントになります。

スレート屋根の構造と関連部材の耐用年数

スレート屋根は「スレート瓦」と「下地材」で構成され、その中でも防水性能を左右するルーフィングシートや野地板、棟板金などの部材が重要な役割を持ちます。それぞれの部材ごとの一般的な寿命は以下にまとめています。

部材名	主な役割	耐用年数の目安
スレート瓦	外装・防水	20～30年
ルーフィング	防水シート	20年前後
野地板	瓦の下地構造体	30～40年
棟板金	屋根頂部のカバー	15～20年

これらの部材は相互に機能し合うため、一部が劣化したまま放置すると雨漏りや躯体の腐食リスクが高まります。特にルーフィングや棟板金の寿命に注意が必要です。補修・交換タイミングの見極めが安心な住まいを守ります。

スレート瓦のメリット・デメリットを多角的に分析

スレート瓦は幅広いメリットを持ちつつも、素材特有の注意点があります。

主なメリット

軽量なので耐震性が高く、構造への負担が少ない
カラー・形状バリエーションが豊富でデザイン性が高い
施工や補修が比較的簡単で、工期・費用を抑えやすい
全国のホームセンターや業者で材料・補修サービスが充実

主なデメリット

衝撃や経年劣化でひび割れが発生しやすい
表面塗装の劣化により、10～15年で再塗装が必要
放置すると雨漏りやカビ、下地材の損傷リスクが上昇
塗装や補修費用が定期的にかかるため、メンテナンス計画が必須

スレート瓦はコストパフォーマンスに優れる一方、寿命を延ばすための塗装や定期点検の継続が「快適な住まい」を維持するために不可欠です。

スレート瓦の寿命 ― 法定耐用年数と実際の耐用期間の違い

法定耐用年数（約22年）とは何か、その根拠と意味

スレート瓦の法定耐用年数は約22年とされています。これは国税庁の減価償却資産の耐用年数表に基づくもので、建築資材として計上される際の法的基準です。法定耐用年数はあくまでも税務上の目安であり、実際の屋根材の寿命とは必ずしも一致しない点に注意が必要です。公的機関の調査データでも実生活における屋根の交換時期や、地域ごとの劣化度合いがまとめられていますが、現実には施工品質や環境によって前後します。

比較しやすいよう、スレート瓦の「法定耐用年数」と「実際の目安」の一例を下表にまとめます。

分類	年数の目安	用途・意味
法定耐用年数	約22年	減価償却・税務評価の基準。実際の劣化とは異なる
実際の寿命	20～30年	使用状況・環境で変動

この違いを理解することで、計画的なメンテナンスやリフォーム判断がしやすくなります。

製造年代別のスレート瓦の寿命差

スレート瓦はその製造年代や種類によって寿命や耐久性が大きく異なります。特に注意すべきは、第一世代（アスベスト含有）、第二世代（ノンアスベスト移行期）、第三世代（高耐久・新素材タイプ）です。

第一世代（1960～2004年頃）
- アスベストを含むため耐久性は比較的高いですが、現在は使用・販売が禁止されています。
- 30年以上持つケースもありますが、耐用年数を超えると急激に劣化する傾向があります。
第二世代（2004～2010年頃）
- ノンアスベスト初期型が中心で、素材の改良途上であるため、20年未満で交換例が多いです。
- 劣化しやすく、色あせやクラックが発生しやすい世代です。
第三世代（2010年以降）
- 高耐久素材や特殊コーティング製品が主流。
- 適切なメンテナンスで25年～30年の耐久が期待できます。

現場では第一世代のスレート瓦が30年以上経過しても健在な例もある一方、第二世代の初期ノンアスベスト材では15年未満で交換の必要が生じることもあります。

立地環境・施工品質・使用条件が寿命に与える影響

スレート瓦の寿命を決める最大の要素は、立地環境や施工品質・日頃のメンテナンス状況です。下記のような点に注意が必要です。

寒冷地や台風・豪雨地域
- 凍害や強風の影響で、割れや浮き、塗膜の剥がれが早期に現れやすくなります。
- 塩害地域では金属部品の腐食による浮きやズレが発生しやすいです。
施工不良や下地劣化
- 野地板や防水シートが傷むと、屋根材本体よりも早く寿命を迎える場合もあります。
- 施工時の釘打ちや重ね合わせミスで雨漏りや下地腐食が起こり、数年でメンテナンスが必要になることも少なくありません。

これらの点に留意し、10～15年ごとに点検や塗装メンテナンスを適切に行うことで、スレート瓦の寿命は大幅に延長できます。交換時にはガルバリウム鋼板への葺き替えやカバー工法も有効な選択肢となります。

スレート瓦の劣化症状・劣化サインの見極め方

屋根表面の劣化症状 ― チョーキング、色あせ、剥離の見分け方

スレート瓦の屋根表面の劣化は、塗装の変化がサインとなります。まずチョーキング現象が見られるようになると、手で触ったときに白い粉が付着します。これは塗膜の劣化が進行している証拠です。

色あせや塗装の剥がれも注意が必要です。色のムラや艶がなくなり、部分的に地の素材が見えてくると、防水機能が大きく低下します。塗装表面が剥離し始めると、スレート自体へのダメージが進行し、メンテナンスの緊急度が高まります。

下記の表で代表的な劣化症状と初期～重度のサインをまとめています。

劣化状態	初期症状	劣化進行
チョーキング	白い粉が手につく	雨水浸透、塗装剥がれ
色あせ	色ムラ、艶消失	素材露出、全体の色褪せ
剥離	ピンホール、小範囲剥離	部分的な大規模剥離

これらの症状を見逃さず、定期的にチェックすることが屋根長持ちの第一歩です。

ひび割れや破損、棟板金の腐食など構造部の異常

屋根表面の変色だけでなく、ひび割れや割れ、欠損は特に放置厳禁の劣化サインです。スレート瓦本体に細かな割れが生じている場合、その隙間から雨水が内部に入り込み、下地の野地板や防水シートにダメージが広がります。

棟板金の浮きや腐食にも注意してください。固定力低下や錆びによって、強風時に棟板金が飛ばされたり、雨漏りの原因となることがあります。

異常の主な例をまとめます。

スレート瓦本体のひび、小さな欠け
棟板金の錆、浮き、釘の緩み
雨どいの外れや詰まり

これらの構造部異常が発生した場合、部分補修や必要に応じて早めの交換・リフォームを検討してください。

雨漏り初期症状と屋根裏のチェックポイント

スレート屋根の劣化が進むと、最も深刻なのが雨漏りです。初期症状として天井や壁のシミが現れるほか、屋根裏での湿気やカビ臭も要注意です。

点検時にチェックしたいポイントをリスト化します。

天井・壁に不自然なシミ
屋根裏の湿気感やにおい
断熱材や木部のカビ・変色
雨音が以前と変わった場合

こうしたサインがあれば、本格的な雨漏り以外にも、カビや腐朽菌の発生リスクが高まり、建物全体の耐久性低下につながります。

劣化放置のリスクと二次被害（カビ・シロアリ等）についても解説

スレート瓦の劣化を放置すると、雨漏りだけでなくカビやシロアリ被害など深刻な二次被害に直結しかねません。

劣化を放置するリスク

内部構造（野地板・垂木）の腐朽
カビの増殖による室内環境悪化
シロアリ被害による木材の損傷
修繕費用の急増（葺き替えやカバー工法が必要になる場合も）

定期メンテナンスや早期点検を怠ると、屋根全体の寿命が著しく短くなります。小さなサインを見逃さずプロによる診断を受けることで、費用も最小限に抑えられます。

スレート瓦のメンテナンス法と寿命延長のポイント

定期塗装の重要性と適切な塗装周期（10～15年毎推奨）

スレート瓦は耐用年数の指標として15年～30年が一般的です。最大限に寿命を延ばすためには、10～15年に一度の定期塗装が必要です。塗装による防水性向上や紫外線対策が、劣化症状である色あせやひび割れ、雨漏りの予防につながります。

塗料の選定も寿命に直結します。特にフッ素系やシリコン系は耐久性が高く、費用対効果にも優れています。下記は代表的な塗料の比較です。

塗料の種類	耐久年数（目安）	特徴
ウレタン系	約8～10年	価格が安い／耐久性控えめ
シリコン系	約10～15年	コスト・耐久性のバランス
フッ素系	約15～20年	初期費用高め／長寿命

塗装周期を守ることで、葺き替えや大規模補修のリスクを大幅に低減できます。

劣化部分の補修方法 ― ひび割れ補修、シーリング、板金交換

スレート瓦の劣化症状はひび割れ・欠け・塗膜剥がれなどが主で、発生初期に適切な補修を行うことで、全体の寿命延長が実現します。具体的な補修法は以下のとおりです。

ひび割れ補修：専用の樹脂やパテで充填・補強
シーリング：隙間や接合部に防水シーリング材を施工
板金交換：棟部や谷部の金属部材のサビ・破損部を交換

補修は全体の点検とセットで実施し、劣化の広がりを未然に防ぐのが重要です。急な雨漏りや瓦の欠損は早めの対応が大切です。

カバー工法と葺き替え工事の選択基準と費用相場

既存のスレート屋根が劣化している場合は、「カバー工法」と「葺き替え工事」があります。

カバー工法：古い屋根の上にガルバリウム鋼板などを重ね張り。廃材が少なく工期も短い。費用目安は30坪で80万～120万円。
葺き替え：既存のスレート瓦・下地を全て撤去し新規屋根材へ。耐久性と資産価値が向上する分、費用は120万～200万円前後。

工法	特徴	耐用年数	参考費用（30坪）
カバー工法	既存屋根を活かす/費用抑制	20～30年	80万～120万円
葺き替え	下地も刷新/最高耐久	30～40年	120万～200万円

劣化度合いや野地板・下地、防水シートの状態により適切な工事を選ぶことが失敗を防ぎます。

防水シート（ルーフィング）の寿命と交換時期の見極め

スレート瓦の内部には防水シート（ルーフィング）が敷設されています。目安の寿命は約15～25年で、これが雨漏り防止の最後の砦です。経年劣化で破れやすくなり、屋根材を剥がさないと状況確認が難しいのが特徴です。

チェックのポイント

築15年以上経過
天井や壁のシミ・雨漏り発生
屋根点検時に破れや浮きの指摘

防水シートが寿命を迎えると、表面のスレート瓦が健全でも雨漏りリスクが急増します。葺き替えやカバー工法の際には、必ず防水シートの新調を検討しましょう。

スレート瓦のメンテナンス費用の詳細と長期コスト比較

メンテナンス費用の内訳 ― 塗装、補修、カバー工法、葺き替えの具体費用

スレート瓦のメンテナンスにはいくつかの主要な工法があり、それぞれの費用は施工内容や屋根面積によって異なります。一般的な費用相場は以下の通りです。

メンテナンス内容	費用相場（30坪）	主要ポイント
塗装	60万円～100万円	10～15年周期、耐用年数延長効果あり
補修	2万円～15万円/箇所	割れ・ひびの部分補修等
カバー工法	120万円～200万円	既存屋根の上に新しい屋根材を重ねる
葺き替え	180万円～300万円	屋根全体を新しくする抜本的な工事

塗装は「屋根塗装しない方がいい」と考える方もいますが、適切に行えば耐用年数が延び、雨漏りや劣化のリスクを大幅に減らすことができます。

施工事例に基づく費用シミュレーションと耐用年数延長効果

具体的な施工事例をもとに費用イメージとメンテナンスの効果を解説します。

塗装
・30坪のスレート屋根において10～15年ごとの塗装を実施した場合、40年以上トラブルなく使用できた事例が多く見られます。
・費用は概ね1回約80万円、計3回塗装で約240万円。
カバー工法
・築30年のスレート屋根にガルバリウム鋼板をカバーしたケースでは、工事費約150万円でメンテナンス周期を20年以上延長できています。
・廃材が比較的少なく、廃棄費用も抑えられます。
葺き替え
・屋根材だけでなく下地や野地板までリフレッシュされたことで、50年相当の新たな寿命が期待できます。
・費用は割高ですが、屋根の機能を完全に取り戻します。

定期的な塗装やタイミングを見た工法選択で、長期的なトータルコストを節約できます。

他屋根材（日本瓦・ガルバリウム鋼板）とのコスト・寿命比較

メンテナンスや耐久年数は、使用する屋根材によって大きく変わります。代表的な屋根材との比較は下記の通りです。

屋根材	耐久年数	メンテナンス頻度	30坪葺き替え費用目安
スレート瓦	20～30年	10～15年に一度	180万～300万円
日本瓦	40～60年	点検・補修中心	250万～400万円
ガルバリウム鋼板	25～40年	15～20年ごとに点検・再塗装	200万～320万円

スレート瓦は初期コストが比較的抑えられていますが、定期的な塗装費用が必要です。日本瓦は高価格ですが耐久性が高く、ガルバリウム鋼板はカバー工法ができるので廃材コストを抑えつつ寿命を延ばせます。

コストパフォーマンスで選ぶ屋根リフォームのポイント

屋根のリフォームやメンテナンスをコストパフォーマンスで選ぶためのポイントは次の通りです。

長期的なトータル費用を比較する
- 初期費用だけでなく、メンテナンス周期と内容、30年・40年スパンでのコストを想定
現状の屋根材や劣化症状に合わせて適切な工法を選ぶ
- ひび割れや広範囲の劣化はカバー工法や葺き替えも検討
耐用年数を延ばすために定期点検・早期補修を徹底する
- 放置は雨漏り・建物腐食のリスクを高め、結果的に費用増加
塗装や補修の実績が豊富な業者を選ぶ
- 適切な塗料や工事で寿命が大きく変化

スレート瓦のリフォームでは、費用と耐久面、将来的な資産価値の維持を総合的に考えることが大切です。

スレート瓦と他素材の比較 ― メリット・デメリットと耐久性の徹底比較

日本瓦・ガルバリウム鋼板・アスファルトシングル等の特徴と耐用年数

下記の屋根材別の比較テーブルをご覧ください。

屋根材	主な特徴	耐用年数	メリット	デメリット
スレート瓦	軽量・コストパフォーマンス	約20～30年	価格が安い、施工が簡単、デザイン豊富	劣化しやすい、耐久性は中程度
日本瓦	和風住宅に多い・重厚感	約40～60年	長寿命、風格がある、断熱性も高い	重量があり耐震性で不利、費用高
ガルバリウム鋼板	金属素材・超軽量で高耐久	約30～40年	軽量、サビに強い、耐震性に優れる	断熱性に課題、遮音性はやや低い
アスファルトシングル	柔軟性が高く、海外住宅で採用多い	約15～20年	柔らかい印象、軽量、施工しやすい	強風に弱い、耐用年数が短め

スレート瓦はコストとデザイン性が強みですが、耐久性や防水性の面では日本瓦や金属屋根（ガルバリウム鋼板）に劣ります。

スレート屋根の耐震性や断熱性の評価

スレート瓦は軽量なため、家への負担が少なく、地震時も揺れによる被害リスクが低い点が評価されています。しかし、断熱性は中くらいで、ガルバリウム鋼板と大きな差はありませんが、日本瓦よりは劣ります。また、夏場は屋根側からの熱が伝わりやすい傾向のため、遮熱塗料の使用や屋根裏断熱材の併用が推奨されます。

強風・台風対策としても軽量なスレート瓦は安全性が高く、耐震や安全性を重視した施工が選ばれています。ただし、部分的な破損やズレが生じやすいので、定期的な点検が必要です。

各屋根材のメンテナンス頻度と費用負担の比較

各屋根材によるメンテナンス間隔と主な費用目安を表にまとめました。

屋根材	主なメンテナンス内容	メンテナンス周期	目安費用（30坪）
スレート瓦	塗装・コーキング・差し替え	8～12年ごと	塗装:約50～80万円
日本瓦	締め直し・漆喰補修	10～20年ごと	約70～120万円
ガルバリウム鋼板	塗装・コーキング	15～20年ごと	塗装:約60～90万円
アスファルトシングル	補修・差し替え	10～15年ごと	約40～70万円

スレート瓦は塗装メンテナンスが必須で、これを怠ると耐用年数が短縮し、雨漏りや下地腐食のリスクが高まります。ガルバリウム鋼板は長期間メンテナンス不要ですが、コーキング劣化や塗膜のはがれに注意が必要です。日本瓦はメンテナンス頻度は少なく済みますが、費用が割高です。

リフォーム時の選択肢としてのそれぞれの適正シーン

リフォームや屋根葺き替えのシーン別おすすめ屋根材をリストアップします。

耐震性・コスト重視の場合
- ガルバリウム鋼板、スレート瓦（カバー工法も人気）
高級感や長寿命を重視する場合
- 日本瓦
デザイン性と防災バランスを求める場合
- スレート瓦、最新の平板スレート
メンテナンス頻度を下げたい場合
- ガルバリウム鋼板や陶器系瓦
簡易リフォームで費用を抑えたい場合
- スレート瓦カバー工法やアスファルトシングル

屋根リフォームは家全体の耐久性や快適性にも直結するため家族や専門業者とよく相談し、長期視点で最適な材質選びが大切です。担当業者による現地調査や診断が適切な判断につながります。

スレート瓦とアスベスト問題 ― 過去製品の安全対策とリフォーム注意点

アスベスト含有スレート瓦の特徴と撤去時の注意点

アスベストを含むスレート瓦は、1970～1990年代を中心に多くの住宅で使用されてきました。アスベストは耐熱性・耐久性に優れていましたが、微細な繊維を吸い込むことで深刻な健康被害を招くことが判明しています。そのため、リフォームや解体時には必ず専門業者による安全な作業が必要となります。撤去作業では、法律で定められた養生、防塵マスク・防護服の着用、飛散防止剤の使用など厳格な管理が義務付けられています。自己判断での撤去は絶対に避けてください。

ノンアスベスト製品登場以降の耐用性と安全性の違い

ノンアスベストスレート瓦は、アスベスト規制後に開発・普及した新世代の屋根材です。現行の主流は無害な繊維素材を活用し、人体へのリスクがありません。耐用年数はおおむね20～30年とされますが、初期のノンアスベスト製品には耐久面で課題が指摘されたものもあります。近年は改良が進み下記の通り、品質面でも信頼性が高まりました。

製品種別	安全性	寿命参考目安	主な特徴
アスベスト含有型	重大リスクあり	30～40年	高耐久・要専門撤去
ノンアスベスト初期型	安全	15～20年	一部で劣化症状報告
改良型ノンアスベスト	非常に安全	25～30年	現在の主流・高品質

アスベスト瓦のリフォームやメンテナンス対応方法

アスベスト含有スレート瓦のリフォームでは、健康と法令順守の両面で万全な対策が不可欠です。ポイントとして

塗装や補修のみの場合も、飛散の恐れがあるため知識のある業者へ依頼する
カバー工法（新規屋根材で覆う方式）は、アスベスト飛散を防ぎながらメンテナンスできる有効策
葺き替え時にはアスベスト適切処分を行う必要がある

下記のような選択肢がとられます。

専門業者による安全な塗装・補修
カバー工法（ガルバリウム鋼板など）で重ね葺き
完全撤去してガルバリウム鋼板や新規スレートに交換

費用や工期は、瓦の状態・施工法・面積によって異なります。

安全に関する公的基準・処理手順の最新情報

アスベストを含む屋根材の処理には、法令で厳格な基準が設けられています。主なポイントは

作業開始前に自治体への届出が必要
飛散防止措置（専用シート・散水や飛散防止剤の使用）
解体時の発生ごみは密封・表示し、許可業者による適正処分

厚生労働省や環境省が定めたマニュアルに従い、作業員の健康管理や周囲への配慮も徹底されています。
依頼時は許可・資格を持つ事業者か、処理工程が適切かしっかり確認しましょう。万が一不適切な処理が発覚した場合、所有者にも責任が及ぶことがあります。専門的な知見を持つ業者への相談が安全対策の第一歩です。

スレート瓦劣化時の業者選びとメンテナンスの進め方

信頼できる屋根業者の特徴と見極めポイント

屋根のメンテナンスを成功させるためには、信頼性の高い業者選びが不可欠です。以下のポイントを確認しましょう。

チェック項目	内容
実績	地域での施工実績が豊富か
資格保有	屋根工事や建築士などの資格があるか
保証	施工保証やアフターサービスが明示されているか
見積詳細	費用明細や工事内容の説明が丁寧か
評判	口コミ・評判が良好か

ネットやSNSの口コミも参考にしつつ、疑問点には誠実に回答してくれるかを見極めることが大切です。安さだけでなく、長期的に対応できるかを重視しましょう。

点検や見積り依頼時のチェックリスト

点検・見積もりの依頼時は事前準備をしておくと安心です。チェックリストを活用し抜け漏れを防ぎましょう。

スレート瓦の劣化症状（ひび割れ・苔・色あせなど）を事前に記録
依頼内容と疑問点をメモしておく
見積書の内訳や説明の有無を確認
追加工事やオプションが必要な場合の費用も質問
複数社から見積もりを取得し比較

施工範囲や費用の相場を把握したうえで依頼すると、納得感の高い選択がしやすくなります。

自分でできる簡単点検とプロ依頼の分け方

日々の点検は長持ちの第一歩です。自分でできる点検方法と、プロに依頼すべき内容を区別しておきましょう。

自分でできる点検

屋根の上に登らず、地上から双眼鏡で確認
瓦の色あせ・割れ・欠け・ズレ
雨樋の詰まりや落ち葉の蓄積

プロ依頼が必要なケース

屋根の上に登る必要がある
著しいひび割れや浸水が疑われる
大規模な塗装やカバー工法、ガルバリウム鋼板への葺き替え

危険を伴う作業や詳細な劣化判断は必ず専門業者に依頼し、安全を優先してください。

メンテナンス契約や保証内容の確認ポイント

メンテナンス契約や保証内容は後々のトラブル回避のためにも細かく確認しましょう。

確認ポイント	内容
保証範囲	どの部分まで保証されるか（塗装、防水シート、瓦本体など）
保証期間	何年保証されるか・延長は可能か
免責事項	保証が適用されない条件の明記
アフターサービス	定期点検の有無や対応内容